教員情報

学部・学科文化創造学部 文化創造学科
職種教授【博士】
氏名(カナ)スズキ ヤスエ
氏名(漢字)鈴木 泰恵

研究分野

日本文学

研究テーマ

・東洋文学のなかの日本文学
・ハイブリッドな日本文化

研究実績一覧

論文・資料作品等

表題単・
共著
刊行概要関連授業科目
『狭衣物語』の「語り」と「主体」―飛鳥井女君女君についての諸言説から― 単著 『物語研究』17 物語研究会,2017年3月,p72-p88(11頁)  『狭衣物語』の語りは、一つの方向性を示すべく、周到に言説を配備しつつ、それと矛盾するような言説をも備給してしまっている。こうした語りのひび割れから、『狭衣物語』における「語る主体」に入ったひび割れをとらえるとともに、そうした「語る主体」のひび割れこそが、「物語」のイデオロギーに抗する要素となっている点について論じた。具体的には飛鳥井女君に関わる物語の後半を考察の対象とした。 古典文学研究
日本文化特講Ⅲ(大学院)
『狭衣物語』のちぐはぐな「語り」――飛鳥井物語における道成の「不知」をめぐって―― 単著 『日本文学』VOL.66-1 NO.763,2017年1月,p25-p35 『狭衣物語』の「語り」は、ある一つの方向性を持っている。しかし、その「語り」には間々ちぐはぐなところが見られ、みずからの「語り」の方向性に水を差してもいる。まずは、そうした「語り」のありようを明確にした。また、ちぐはぐな「語り」だからこそ、「語る主体」や、それを構造化するイデオロギーを綻ばせ、「イデオロギー表象」としての「物語」を機能失調に陥らせもするのであり、それは、この物語の「語り」の特質であり、意義でもある点を論じた。 古典文学通論,古典文学研究,応用演習,基礎演習

著書

表題単・
共著
刊行概要関連授業科目
架橋する〈文学〉理論(助川逸一郎編 新時代への源氏学9)「〈王権論〉とは何であったのか」 共著 竹林舎,2016年5月,p36-p63 1980年代に隆盛を極めた〈王権論〉は、日本古典文学研究にも影響を与えていたが、古典文学のそれを支えた二つの理論として、山口昌男の一連の〈王権論〉と、三島由紀夫が「文化防衛論」で示した天皇制論とがあったことを明らかにした。また、三島の天皇制論とは何であったのかについて考察した。 日本近代文芸研究,日本現代文芸研究,古典文学研究
複数化する源氏物語(新時代への源氏学7)「近代の注釈観─基礎作業と創造のはざまで─」 単著 竹林舎,2015年5月,p199-p221 『源氏物語』の注釈の歴史は長い。その中でも、複雑な様相を呈するのが、いわゆる近代の注釈であることを明らかにした。中世以来の和語・漢語による古注の伝統、江戸期国学者の注釈の伝統を引き継ぎつつ、明治になって輸入されたドイツ文献学の方法を錯綜させて、近代の注釈は成り立っている。そうした複雑な状況が、今日の『源氏』注釈に課題を残していることについて論じた。 日本文化演習(大学院),日本文化特講(大学院)
狭衣物語 文の空間 共著 翰林書房,2014年5月,p315-p335 「『浜松中納言物語』恋の文模様──唐后転生へのしらけたまなざしから」担当。
物語の舞台を日本から中国にまで広げ、決して目にすることのない「中国=唐」の地に馳せた思いを、「唐」の装束をまとい、「唐」の文化に包まれた「唐后」 という人物に凝集させて、新たな物語世界を切り拓いた平安後期物語『浜松中納言物語』の特質を明らかにした。また、直接に「唐」を描いてはいない他の平安後期物語のメンタリティとも共通する点についても指摘した。
(共著者:井上眞弓・乾澄子・萩野敦子共編著)
日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
源氏物語煌めくことばの世界 共著 翰林書房,2014年5月,p458-p472 「『浜松中納言物語』と「ゆかり・形代」─『源氏物語』の「中の君」をめぐることばから─」担当。
「中国=唐」の地と文化を視野に収めることで、日本の文学と文化を相対化し、『源氏物語』の「ゆかり・形代」(身代わり)物語の呪縛から離れていった『浜 松中納言物語』のありようを明らかにした。また、日本以外の東洋へと開けていったまなざしが、人間の個別的主体性を疑う、今日的な視点を獲得させた点についても論じた。
(共著者:原岡文子・河添房江他)
日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
平安文学の交響「肥りすぎのオイディプス」 共著 勉誠出版,2012年6月,p253-p277 さ まざまな文学に登場する「オイディプス物語」は、日本の物語のなかにも読みとられる。まずは、その点を明らかにした。しかし「オイディプス物語」という観 点を導入すると、平安時代以降の物語史において、重要な役割をもつのは、『源氏物語』よりもむしろ『狭衣物語』であるのではないかという見解を提示した。 (共著者:中野幸一・神野藤昭夫・吉井美弥子他) 日本文化演習(大学院),日本文化特講(大学院)
狭衣物語空間/移動 共著 翰林書房,2011年5月,p122-p145 「今姫君の居住空間―狭衣物語に流入する芸能の〈空間/移動〉」担当。
平安後期の漢文日記『春記』の記述に注目し、平安中期の日記『小右記』をも参照しつつ、大陸から渡ってきた芸能・散楽と、日本で興った新たな芸能・今様とがコラボしていく様を『狭衣物語』に読みとり、これまでの研究に新たな視覚を提示した。 なお、そのような文化的状況を背景に、平安後期物語『狭衣物語』が新たな物語世界を切り拓いていったことを明らかにした。
(共著者:井上眞弓・乾澄子他)
日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
枕草子 創造と新生「枕草子から狭衣物語へ」 共著 翰林書房,2011年5月,p217-p233 『狭衣物語』と『源氏物語』との関係については、深く考察されているが、『枕草子』との関係については、これまであまり深く考察されてこなかった。しか し、丹念に読んでみると、重要な個所に『枕草子』が引用されていること、それが物語の本質にかかわるものであることを明らかにした。(共著者:小森潔・津 島知明他) 日本文化演習(大学院),日本文化特講(大学院)
王朝文学と服飾・容飾 共著 竹林舎,2010年5月,p562-p582 「『狭衣物語』の服飾─「裸体と衣装」そして「われもかう」─」担当。
中国の文化は日本の文化に大きな影響を及ぼしていた。それは服飾においても同様であったが、平安中期以降、日本独特の服飾文化が花開いていった。ところが、平安後期の物語に注目してみると、日本独特の服飾が中国の服飾を意識しながら形作られていたことが如実に見てとれる。本稿では、その点を明らかにしたうえで、中国の服飾を意識しつつ、平安中期とも違った服飾を見出そうとした服飾美を見出そうとした平安後期のありようを『狭衣物語』からとらえた。
(共著者:河添房江他)
日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
狭衣物語/批評


単著 翰林書房,2007年5月 平安後期物語『狭衣物語』の特質を、先行の文学や、後続の文学との関係から明らかにした。具体的には『源氏物語』に対して、『狭衣物語』がいかなる批評性を有していたのかを、「紫のゆかり」や「形代」等、『源氏物語』に先蹤を持つもののあり方を探り、『源氏物語』に対する批評性をとらえた。また、そこから『狭衣物語』の特異性をも見据えていった。加えて、いわゆる中世王朝物語や、近代以降の三島由紀夫などの文学と、『狭衣物語』とのつながりを明らかにし、どのような関係性にあるのかを把捉しながら、『狭衣物語』の先験性を明確にした。

テキスト

表題単・
共著
刊行概要関連授業科目
今こそよみたい近代短歌 共著 翰林書房,2012年10月 西欧文化と、見えづらいけれども漢文学の影響を受けて生まれた近代短歌の諸相について分かりやすく解説した。そのうえで、近代歌人32名の略歴と秀歌鑑賞を収録した教科書。(共編著者:長澤ちづ・山田吉郎) 日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
平安文学十五講 共著 翰林書房,2012年4月 平安の仮名文学は、国風文化のなかで括られやすいが、実のところ中国への、あるいは漢文への憧憬が物語に、とりわけ平安後期物語文学に与えた影響を把握できるようにした。半期15回分で、15項目を立てた教科書。(共編著者:井上眞弓・深沢徹) 日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習
平安後期物語 共著 翰林書房,2012年3月 漢文と和文との交流に着目した教科書。授業ではあまり扱われないが、今日の文化と日本古典文学を繋ぐ文学教育を考えるうえで欠かせない平安後期物語に特化し、イラストなども加えわかりやすくした。(共編著者:井上眞弓・下鳥朝代) 日本文化特講,日本文化演習,東洋文化特講,東洋文化演習