資料請求

新着情報

歌って覚える『残酷な天使のテーゼ』古文訳バージョン

8月19日のオープンキャンパスで、「古文でJ―POP」というミニイベントを行いました。

このイベントは、J-POPの歌詞を古語に訳して歌い、そのあとで「どうしてこの訳になったか」を解説するというもの。古語訳を作成し、歌い、解説するところまで、すべて国語教育コースの3年生が担当しました。
オープンキャンパス国語_(2) S.jpg

たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌としても知られている『残酷な天使のテーゼ』の古文訳はこんな感じになります。

いとつらき天人の法

[1]

いとつらき天人のごと

稚児よなれ神世語りに

みどり風しいま

胸の蔀(しとみ)たたきても

まろしのみをただ見つめて

えまいたるそなた

やおらふるるもの

尋めゆくことに心入れ

さだめをだにまだ知らざる

うつくしの瞳

されどいつかおどろくならむ

かのそびらに

遠きゆく手さしゆくべき

羽根しあること

いとつらき天人の法

格子より飛びいづるまし

ほとばしるあつきあはれで

思ひ出をあざむくなら

法界(ほっかい)を抱だき輝く

稚児よなれ神世語りに

[2]

すがら寝(い)ねわたる

あがあわれの揺れるる篭(こ)

いましのみが夢つかひに

呼ばるる朝(あした)来(こ)む

細きちりけもと

月かげにぞ匂ひたる

普天率土(ふてんそっと)

時しせきて

ふりこめたけれど

けだしふたり会えしことに

徳しありせば

まろはしかり解脱を得(う)る

ための経典

いとつらき天人の法

うれへこそ今し始むれ

抱きとむる君が玉の緒

さが夢におどろくとき

何人にまさりて光る

稚児よなれ神世がたりに

人はあはれつむぎながら

鏡物書く

姫神にぞならざるまま

まろは生きつぐ

いとつらき天人の法

格子より飛びいづるまし

ほとばしるあつきあはれで

思ひ出をあざむくなら

法界を抱だき輝く

稚児よなれ神世語りに

「テーゼ」には「ある人が主張した法則」という意味があります。ですから、「天使のテーゼ」は、「天使が主張した法則」ということで、「天人の法(のり)」になっています。

原曲の「窓辺からやがて飛び立つ」の部分。平安時代の寝殿造の建物の「窓」にあたるのは「格子」です。だからここは「格子より飛びいづるまし」。

「パトス」は、「理性では抑えきれない強い心の動き」をあらわします。なかなか古語で、これに相当する言葉を見つけるのは難しい。翻訳担当スタッフによる討議の結果、一番適切な訳語は「あはれ」だという結論にたどりつきました。

それよりさらに大変だったのは、「歴史をつくる」。ぴったりした置きかえは無理そうだったので、少々意訳しました。「歴史書」を古語では「鏡物」というのでここは「鏡物書く」ということに。

イベント当日は、

「『大鏡』・『今鏡』・『水鏡』・『増鏡』を「四鏡(しきょう)」といいます。成立順に「大今水増(だいこんみずまし)」と覚えてください!」

 と学生さんは説明していました。

 オープンキャンパスにやってきた高校生もその保護者の方も、古文の新しい魅力に気づき驚いていた模様。オープンキャンパスに協力してくださった学生さんの「あつきあはれ」は報われたみたいです。