健康栄養学科

ゼミ研究・活動

管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 髙田研究室~

 髙田研究室では味覚に関連する研究と生理学に関する研究を主体に継続して実施しています。

 今まで、飛騨牛やつるむらさきの6次産業化に関する研究など地域と結びついた研究と味覚の基礎的研究を実施してきましたが、今年度からは、「奥美濃古地鶏」に関しての研究を本格的に開始しました。

 「奥美濃古地鶏」は岐阜県の銘柄鶏で、一般の肉用鶏(ブロイラー)の約1.5倍以上の飼育期間があることから、食べなれた肉用鶏に比べると、歯ごたえやコクなどの食感が異なります。このことから、岐阜県奥美濃古地鶏普及推進協議会や岐阜県畜産振興課養豚養鶏係と連携して、「奥美濃古地鶏」の良さを引き出す調理方法や食べ方を検討することとしました。

 この他にも、本年度の卒業研究としては、カカオ含量の多いチョコレートの食べやすさに関する研究、体温の測定法に関する研究、牛乳の消費拡大とコロナ禍での在宅期間の増加に伴うお家でできるスイーツに関する研究など、研究室生が自ら興味を持った内容の研究に取り組んでいます。

 今後も、当研究室では味覚を主体として、地域の畜産や産品と結びついた研究をして行くことにしています。(髙田研究室)

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管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 笠井研究室~

 笠井研究室では、岐阜県美濃市をフィールドとして、食を通じた地域活性化に取り組んでいます。地域には様々な食材があります。それらの地域食材を活用した商品開発を目指しています。地域の食材を知り、その食材に合った料理・加工品への応用を検討しています。

 今年度は、美濃市の道の駅美濃にわか茶屋より依頼を受け、黒にんにくを使った商品開発およびレシピの提案、美濃市の特産品である仙寿菜(アマランサス)の鮮やかな色を活かしたにんにくの商品開発に取り組んでいます。美濃市の業者と連携協力し、商品化を目指します。

 また、健康に関する情報とそれに沿ったメニューを考案し、レシピとしてまとめ定期的に送付、アンケートの実施、結果の分析、資料の改善を行い、地域の方々の食意識向上を目指しています。地域の方々と一緒に食を通じて地域を元気に!食と健康を究めます。(笠井研究室)

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管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 臼井研究室~

卒業研究の楽しみ

 臼井研究室では、今、四つの卒業研究が進行しています。ここでは、そのうちの一つである「調理器具類の洗浄と消毒の除菌効果の比較の研究」について紹介します。

 私たちは、調理器具-例えばまな板を使い終わった後、中性洗剤で洗浄しその上で台所用の消毒剤を使って消毒します。では、細菌の除去という面では「洗浄」と「消毒」のどちらの方が効果的なのでしょうか。どちらだと思いますか?

 授業の中で質問すると、ほとんどの学生が「消毒」と答えます。「消毒」に対する絶大な信頼があるのだと思います。 

 以前の研究で、まな板を使って「洗浄」の方が「消毒」よりはるかに大きい除菌効果を示すことを明らかにしました。その時は、ひき肉を使ってまな板を汚染させたため、ひき肉の脂質で消毒剤が浸透しなかったのではないかという疑問が残りました。

 そこで、今回はタンパク質汚れ、炭水化物汚れではどうかという研究を行っています。

 現時点での結果では、どうやらタンパク質汚れや炭水化物汚れでは洗浄と消毒の効果はほぼ同じのようです。やはり、脂質汚れでは脂質に消毒剤がはじかれ、浸透しなかったようです。

 ところで、この実験では、タンパク質汚れや炭水化物汚れをどのようにつくるのかで、試行錯誤を繰り返しました。いろいろ試したのですが、なかなか適当なものが見つからなくてうまくいきませんでした。結局、タンパク質汚れは卵白、炭水化物汚れは水溶き片栗粉を使い、どちらも加熱・冷却したのち細菌で汚染することにしました。

 卒業研究は、授業としての実験や実習とは異なり、どのような方法で研究を行うのかをまず検討しなければなりません。いろいろ予備実験を行いますが、失敗の連続と言ってもいい状態が続きます。ああでもない、こうでもないと話しあい、その失敗を乗り越え研究方法を確立します。研究方法が決まれば、それはもう90%ぐらい研究が終了したと同然です。

 研究に失敗はつきものです。でも、それを乗り越えることができたとき、学生の皆さんと一緒に喜びをわかちあうことができます。「できた!」と。

 ところで汚れは、現実には、タンパク質汚れ、炭水化物汚れ、脂質汚れと分類できるわけではありません。タンパク質や炭水化物、脂質が交じり合っているのが普通です。ということは、「消毒」に頼りすぎるのではなく、いつでも「洗浄」をしっかりした後、「消毒」することが大切だということです。(臼井研究室)

 

管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 大場研究室~

小麦・卵・乳を含まないオープンキャンパスランチ提供 2022 ~卒業研究~

 本年度も「小麦・卵・乳アレルギーがある児童も皆と同じ給食が食べられる機会を増やすことができないか?」という視点から、小麦・卵・乳を含まないレシピを検討し、オープンキャンパスでランチ提供を行いました。

 424日は、ピーマンの苦味を軽減する工夫をしたソテーを照り焼きチキンと一緒に挟んだ米粉パンサンドを提供しました。米粉パンはほんのりピンクに染め、桜色にしました。表面が硬すぎず、柔らかすぎないパンを提供することができました。

 612日は、昨年に引き続き、ヴィーガン食を提供しました。昨年度の学生が作った高野豆腐で作った唐揚げを改良したものと、本年度は新たに大豆ミートをつかったハンバーグに挑戦しました。大豆ミート独特の大豆臭との闘いに挫折しそうになりましたが、手間暇かけて何とか提供できる美味しいハンバーグが完成しました。

 718日、87日は、生おからをオーブンで乾燥させたおからパン粉をつかった「豚カツ」と「鰺フライ」を提供しました。普通のパン粉のようにサクサクとした衣となりました。普通のパン粉をつかった揚げ物より脂っこくないという評価もありました。

 89日は、苦くて苦手な人が多い、ゴーヤを使ったゴーヤチップスを提供しました。苦味の脂溶性成分、水溶性成分がより流出するような調理法を検討しました。賛否両論色々なご意見を頂戴しましたので、さらにレシピ検討していきます。

 毎回、さまざまな課題がありましたが、学生自身が調べ、何度も試作し改善を重ね、提供するまで何度もレシピを改善しました。このような試行錯誤した経験が社会に出てからの実践に活かされることを願います。学生の達成感のある顔がみられ、嬉しく思います。(大場研究室)

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管理栄養士へのステップ ~4年生 卒業研究 和田研究室~

◇生涯を健康で過ごすために・・・食生活を見直そう!

 今年度、和田研究室では、「生涯を健康で過ごすために食生活を見直そう!」という目的で、18歳から21歳の女性の食事内容の様子や調理している時間などについてアンケートを実施し、課題解決の方途を探っています。

 今の年代より、「心掛けて欲しい食習慣の見直しや改善をどのように提案すると良いのか」研究を進めています。

 その中のひとつを紹介します。

 18歳から21歳の女性の食生活の中で、いも類を使用した献立を取り入れている機会が少ないことに注目し、じゃがいも料理のレシピ考案をしています。

 

【じゃがいもを使ったデザート作り】

 じゃがいもを使用した簡単に作ることができるデザートを考案し、基本のレシピから派生レシピへと繋げたいと進めています。

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 生涯を通して、「食べる」ことは基本的生活習慣となりますから、日々の食習慣の積み重ねが大切であると思っています。 ~和田研究室ゼミ生一同~