住居学専攻

研究業績

教育研究活動

平成以降の経済状況の低迷を受けて建設業界も縮小し、住居学専攻への志願者も減少傾向でした。その中で、住居学専攻は、『住むひとの満足する住環境を創造できる』スペシャリストの育成を教育目標に掲げ、実社会で即戦力となれる確かな知識と技術の定着と実践力を身につけさせる教育研究活動を進めています。
具体的には、①在学中の資格取得の促進、②実際の建物を企画・設計から建設まで実践する特別プロジェクト実習の推進、③実社会の課題解決に学修成果を活かす地域連携プロジェクトの推進を展開しています。

① 在学中の資格取得の促進

平成14年度より卒業後の1・2級建築士取得促進のための建築専門演習Ⅰ・Ⅱをカリキュラムに加えたのを皮切りに、インテリアコーディネーター(平成16年度~)、福祉住環境コーディネーター(平成17年度~)、キッチンスペシャリスト(平成20年度~)、カラーコーディネーター、宅地建物取引士(平成28年度~)などの資格取得を支援する専門演習を開設し、着実に学生の資格取得実績を積み重ねています。また、在学中の資格取得は、卒業後の1・2級建築士等の取得にもつながっています。

② 特別プロジェクト実習の推進

平成16年度から、実際の建物の新設、リフォーム、リノベーションについて企画・設計から工事までを学生主体で実践するプロジェクトを展開しています。

  • 実習棟(木造平屋建、平成16年~18年)
  • 茅葺き屋根の休憩所(木造平屋建、平成19年~21年)
  • 学生食堂リニューアル(平成20年)
  • 読み聞かせ絵本館(木造一部2階建、平成22年~26年)
  • 1号館トイレリフォーム(平成25年)
  • いずみ寮リフォーム(平成28年)
  • 災害時浴室棟(木造平屋建、平成27年~29年)

平成29年に完成した災害時浴室棟は、大学の体育館が災害時の避難所となっていることから、地域住民の避難所生活をより快適にするために何が必要なのかを学生たちが考え、体育館に隣接する五右衛門風呂の浴室棟の建設を行いました。従来のプロジェクトとは異なり、学内だけでなく地域に貢献できるプロジェクトとなりました。
いずみ寮(和室棟)リフォームでは、リフォームを大学から依頼され、住居学専攻の1,2年の寮生が色彩計画学の知識を活かし、寮室内のカラーデザイン案を考え塗装工事を行いました。
一連の特別プロジェクト実習を通じて、学生は授業で学んだ知識・技術を実際の建物に触れることでより深く理解し、学内外の協力者の方々とのコミュニケーションを通じて実社会で必要となるコミュニケーション力を養っています。

③ 地域連携プロジェクトの推進

人口減少が進む地方都市においては、深刻化する空き家問題への対処や地域活性化が大きな課題となっています。住居学専攻で教育研究している建物や空間のデザインに関わる知識と技術を活かして地域貢献することを目的に、平成28年度から、連携協定を提携している山県市、各務原市などからの委託に基づき、若い女性の視点からの空き家リノベーションデザインの提案や観光拠点施設のリノベーションデザインの提案などを行っています。
空き家のリノベーションデザインの提案では、インテリアデザイン論・実習の授業課題として取り組んでおり、空き家物件の現地調査から、コンセプトメイキング、若い世代の移住・定住を促進するためのリノベーションデザイン案を作成し、実際に市の職員、空き家の所有者の方などへのプレゼンテーションまで実践的に取り組んでいます。
地域連携プロジェクトを通じて、学生は実社会での仕事の楽しさと苦しさを疑似体験することができているとともに、自らの提案が実際に地域社会に活かされるという豊かな経験を積むことができています。

ページの先頭へ