リフォーム・デザイン案コンテスト

第9回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2017

 「第9回 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2017」を開催します。
 昨年度に引き続き、技術・デザイン部門とアイディア・デザイン部門にわけて、作品募集を行います。今年度の技術・デザイン部門も、提題された住まいへの提案となります。アイディア・デザイン部門は、楽しい発想や斬新な図面表現を評価しますので、建築・デザイン科以外の皆さんも、どんどん応募してくださいね!

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<第9回 わたしの住まいリフォーム・デザイン案 コンテスト2017 > 募集要項
住まいを対象に、リフォームの提案を募集します。

1 応募期間 平成29年8月21日(月)~9月10日(日)(当日消印有効)
2 募集内容
住まい全体、あるいは住まいの一部を対象として選び、現況の様子あるいはリフォーム前(写真あるいは図)と、あなたの考えるリフォーム後の構想(平面図<寸法記入不要>・立面図・透視図など)を描いて送ってください。文系の方もどしどしご応募ください。

3 応募資格 高校生・短期大学生(専門・専攻は問いません)
4 作品応募規定
次の二つの部門があります。いずれかを選んで応募してください。
A:技術・デザイン部門
提題された住まい(本学HP掲載)を対象にして、現実的な問題(例えば、環境とエネルギー・高齢者や障がい者への配慮・コミュニティの活性化など)への提案を評価します。
B:アイディア・デザイン部門
若々しく楽しい発想や斬新な図面表現、身近な実践例などを評価します。
(リフォーム前の状態を図面や写真等で表現してください。)

A・B部門共通事項
(1)用紙:A4以上A2サイズまで1枚、紙質自由(ケント紙が望ましい。)
(2)氏名・学校名・学年などを「出品票」(本学HP掲載)に記入し、提出作品の裏面右下に糊付けして、下記郵送先まで送付してください。 
※作品が1点の場合でも、「出品者一覧票」(本学HP掲載)をお付けください。
5 郵送先 〒501-2592 岐阜市太郎丸80番地 
       岐阜女子大学生活科学科住居学専攻
「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」係
TEL:058-229-2211(代)
6 審査員  岐阜県内建築系教員・岐阜県建築士会会員・本学教員プロジェクトチーム
7 表彰及び賞 2017 年10月以降に表彰式をおこないます。
特選 1点 賞状、副賞(図書券5万円)
優秀賞 3点 賞状、副賞(図書券1万円) 
奨励賞 若干 賞状、副賞(図書券3千円) 
学校賞(優秀作品を多数寄せて下さった高校) 賞状、副賞(図書券2万円)
入賞作品は岐阜女子大学家政学部生活科学科住居学専攻HPに掲載し、2017年2月岐阜柳ヶ瀬「てつめいギャラリー」にて展示
8 その他
※作品の使用権は主催者に帰属し、応募作品は返却いたしません。
※内容に対する質疑応答はいたしません。
※規定以外の事項に関しては応募者の自由裁量とします。 

◆技術・デザイン部門の提題

付図のような間口2.5間の町家を対象にして、リフォームを考えてください。

1 設計条件
(1)第一種住居地域、建ぺい率60%、容積率200%とする。
(2)建物の出入り口は北西に面しており、前面の道路は幅員7mで北東から南西に通り抜けている。両側および道路をはさんで北西側も類似の住宅がつらなっている。
(3)住まい手は、30代の夫婦とする。
(4)職業は自由とする。

2 その他
(1)壁量は壁量計算で確認する必要はない。
(2)構造部材(梁、柱など)を露出する場合の部材の姿は、応募者に任せられる。
(3)現状の屋根は4寸勾配、瓦葺き。
(4)その他、図に規定されている以外の内容については、応募者の自由裁量とする。
(5)岐阜市では、「岐阜市景観基本計画(平成19年8月22日付け 第23回岐阜市都市景観審議会了承)」を策定し、新しい未来に向けて、視覚的な美しさとともに、地域固有の自然・歴史、人々が共有する価値観や文化がまちの表情としてあらわれ、安らぎや潤い、愛着や人々の温もりにより精神的な満足感や快適性が得られるものを真の美しさとしてとらえた美しい都市づくりに向けて、景観の形成に取り組んでいます。
※ なお、この提題の町家は、本学の学生が1981年に調査した「旧中川原町並調査報告」(岐阜市教育委員会刊)に載っているものを再構成したものです。


昨年の入賞作品はこちら

わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト募集要項及び出品票、出品者一覧票

技術・デザイン部門の提題

第8回「2016わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」入選作品と審査評の発表!

 皆さん、こんにちは。

第8回「2016わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」の入賞等作品と審査評をご紹介します。

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A.技術・デザイン部門

優秀賞:技術・デザイン部門
加藤瑠佳(岐阜県立可児工業高等学校) 「土間と中庭のある陶芸家の住まい」

a.jpgこの作品は、「町家」という都市に住むための伝統的な居住装置の特性を良く理解した上で考えを練られた作品として多くの審査員から高く評価されました。
まず、陶芸家の工房および店舗と居住スペースを一体的に計画されており、職住一体の町家の空間構成がうまく活かされています。居住者とお客さんの動線を分離しながら工房によって2つを結びつけ、双方にとって使いやすい空間構成となっています。また、土間、中庭、庭の役割を踏まえた室配置となっています。その上で、吹き抜けでつながった共用スペースを設けるなど工夫を加えることで、伝統に新たな知恵が付加された作品に仕上がっています。

優秀賞:技術・デザイン部門
石関 華(静岡県立科学技術高等学校)「WADOUGU~伝統の新たなカタチ」

b.jpgこの作品は、伝統工芸である和紙の新たな利用法を、体験型工房から発信するという、ちょっとユニークな提案も含まれている作品である。前庭から奥の体験型工房へ人々を導く仕掛けは、和紙に興味のある人だけではなく、ふらっと中に入ってみたいという気にさせる空間づくり。1階部分をすべて地域に開かれた空間としたため、住居部分は手狭な感じがするが、体験型工房やふれあいの広場が、この家族にとっての接客空間であると考えるなら、とても豊かな住居空間である。プレゼンテーションもわかりやすい画面構成がなされ、図面、パースは美しく丁寧に描かれており、イメージが伝わるイラスト画にも感心しました。

優秀賞:技術・デザイン部門
瀧 英理佳(静岡県立科学技術高等学校)「記憶を生む家」

c.jpgこの作品は、季節の移ろいを感じることができる町屋暮らしの中で、豊かな感性を育み、五感と結びついた記憶が、大切な思い出となることを自身の経験とも重ね合わせ、つくられた作品である。店舗だけではなく、中庭に面した場所に体験空間を併設することにより、観光客や地域の子供たちの体験学習の場ともなり、町屋空間を楽しむ工夫がなされている。
また、住宅部分では、玄関から直接つながるダイニングキッチンとその2階のリビングが、現代の暮らしに合わせた接客空間である客間と日常空間である居間になっている。訪れた人たちを優しく向かい入れるリフォーム作品となった。

奨励賞:技術・デザイン部門
星野綾音(静岡県立科学技術高等学校)「木と水と私のつながり」d.jpg

 岐阜市の伝統産業である和傘を販売する店舗併用住宅にリフォームしました。伝統的な町並みの中に伝統産業に関する営みを取り入れたことも評価できます。
また、家族の入り口と店舗を分離し、家族の入り口を奥まった部分にセットバックしたことも、よく配慮されています。平面的には、既存の中庭をうまく活用しています。建物の中に緑を多く取り入れ、そのための水の確保に雨水の有効利用が考えられています。
ドローイングについては丁寧でとても見やすくなっていますが、正面の伝統的デザインへの配慮や傘のスタイルへの配慮も望まれます。

奨励賞:技術・デザイン部門
宮嶋里紗(静岡県立科学技術高等学校) 「守る家」e.jpg

ゾーニングを通りに面した工房部分と、その奥にある中庭を挟んだ家族のプライベート部分に明確に分離しており、住居部分は店舗とつながりつつ落ち着いた空間となっています。
店舗部分は1階の間仕切りを大胆に取り払い、室内に植物を配しています。2階には1階が望めるテラスを設けるなど、広々とした空間構成で夢がひろがりますが、屋根を支える配慮も表現できるとよいでしょう。
ドローイングの表現力もあり、明るく軽やかにまとめられていて、ファサードは元々のデザインを大切に生かしています。

奨励賞:技術・デザイン部門
石川夢菜(宮城県立宮城県工業高等学校)「まちの古書店カフェ」f.jpg

この案には否定的な評価もありました。西洋的なハーフティンバー風の妻入りの外観は、在来木造の平入りの町並みとは異質ではないか、というわけです。誰もが最初に気づくことです。しかし、石川君は十分それを知っていて敢えてこのような選択をしたと考えられます。町の活性化のためには、町並みへの外観的な統一や均質な雰囲気だけを墨守していればいいのか、といういわば異議申し立てと捉えたならば、どうでしょう?
この案は中庭を中心として平面的にも立体的にも実によく練られています。様々な細かい配慮もうかがえます。何よりも私たちの心を打つのは床面の素材を愛おしむように図面が表現されていることです。本評者は総合的に見て優秀賞でもよいと思うほどでした。

B.アイディア・デザイン部門

優秀賞:アイディア・デザイン部門
西村祐里(岐阜県立岐阜城北高等学校)「多機能キッチン」

a1.jpg野山でブドウやナシをもいで仲間とともにその場で食べたり、浜辺で捕まえたばかりのピチピチした魚や貝を分け合って食べた時の、みずみずしい体験をこの応募案は想い出させてくれます。現在の食卓では大方忘れてしまっていても、食事前の「頂きます」と合掌する時にかすかに頭をよぎる、自然の恵みへの敬虔な感情の大切さをこの応募案は楽しい雰囲気の中で私たちにさりげなく伝えてくれます。
人が「食べる」ということの不思議さを考える出発点のような作品に見えました。

優秀賞:アイディア・デザイン部門
中世古快(愛知県立起工業高等学校)「Atelier room」

b1.jpgこの作品は、油絵が好きな作者が思う存分絵を描きたいという強い願望が伝わってくる意欲的な作品となっている。とてもワクワクさせられました。
審査員に評価されたのは、部屋の平面的なスペースを変えずに屋根勾配を利用して立体的な利用を図ることで、必要なゆとりのスペースを生み出している点です。このことで、同一の空間の中でも生活(寝る、くつろぐ)とアトリエ(絵を描き、飾る)のスペースを分け、機能的に使える部屋を実現しています。また、さすがに絵が好きなだけあってプレゼンテーションも見やすく美しく仕上がっていました。

優秀賞:アイディア・デザイン部門
林和花菜(愛知県立起工業高等学校)「SECRET BASE」

c1.jpgこの作品は、誰もが憧れる「秘密基地」を部屋の中に作ろうというワクワク感満載の作品である。
過去のコンテストにも秘密基地を題材とした作品はあったが、どちらかと言えば夢物語のような作品がほとんどでした。この作品の秀逸なところは、四角の部屋の隅と対角線を上手に使っている空間構成の妙、クローゼットとベッドルームの多機能家具の具体性と現実性である。限られたスペースが十二分に活かされた計画となっています。是非、自分の部屋や将来の子ども部屋で実現してほしいものです。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
小林拓未(岐阜県立岐阜工業高等学校)「流れを感じる部屋」d1.jpg

自宅の部屋にビオトープを取り入れるという斬新なアイディアです。透明ガラスでできた屋根と壁をつたって流れる水から清涼感を感じ取れます。
井戸水をくみ上げて流せば水温が安定し、夏は涼しく冬は暖かな部屋になりそうな予感がします。室内に設けたビオトープで魚を飼育したり水草を育てたり、この部屋から出たくなくなりそうな快適な空間になり、家族団らんの空間となりそうです。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
髙井 那奈(岐阜県立岐阜城北高等学校)「My favorite space」e1.jpg

この作品は、吊るす、掛ける、畳むというそのモノを素敵に見せる収納方法を使って、自分の大好きなモノで空間をディスプレーしたアイディア作品です。
壁面を確保するために、窓も高窓、ベットはロフト空間へ配置し、そのための階段も収納棚として利用するなど、部屋の機能と環境にも十分配慮されています。内装材も木材にこだわり、居心地の良いくつろぎの空間となりました。床の一部をガラス面にしての床下収納は、ロフトや階段からの眺めは良いのですが、どうしても部屋の中の移動では大好きなモノを踏むという行為になりますので、人によっては意見が分かれるアイディアかもしれません。
ファッションに興味があり、楽しんで考えられたことが伝わってくる作品です。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
島崎華帆(岐阜立岐阜城北高等学校)「私の部屋 relax room」f1.jpg

アイディア部門の作品ですが、非常に現実味を帯びた優しい作品です。
限られたスペースを立体的に使うことで、リラックスできるゆったり目の空間を手にいれようとしています。床置きのベットを持ち上げ、その下に勉強机を入れ立体的に使うことで、ゆったり感を得ようとしています。
インテリアも雲形の照明や、風船、花の形の時計、花柄の内装、淡い内装色の構成で優しく纏められ、作者の意図が十分に伝わる好感のもてる作品です。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
藤田万由奈(岐阜県立大垣桜高等学校)「こもれび風呂」g1.jpg

『こういうお風呂があったら 楽しいだろうな~!』そんなことを思わせる作品です。
近頃の住宅のお風呂は、昔と違ってインテリア的にも相当考えられ、ゆったりとした時間を過ごせる場所になっています。『豆電球のようなあたたかみのある光に包まれながらお風呂に入る』作者の強い思いが、よく伝わってきます。まだこのようなお風呂を見たことはありませんが、いつの日かこのようなお風呂に入ることを楽しみにしています。内装色は濃いグリーンでも良かったかな?そんな気がします。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
安藤瑞姫 (岐阜県立大垣桜高等学校)「ADVENTUROUS ROOM」h1.jpg

若さ溢れる提案です。主人公は、『5才の男の子』、イメージパースも5才の男の子と言うイメージ通りに細部に至るまで元気に溢れています。力強い滑り台、少し乱雑に置かれた本、サッカーボールと野球道具などは、いかにも5才の男の子の部屋です。素晴らしい観察力です。頭上に空けられた窓からは、きれいな夜空が見え楽しかった1日が終わります。ぐっすりと眠りにつきます。この部屋からは、きっと元気な男の子が育つでしょう。そんな気にさせる楽しい・温かい作品です。

奨励賞:アイディア・デザイン部門
仲里萌(沖縄県立浦添工業高等学校)「太陽が差し込む家」i1.jpg

少し不思議な案となっている。したがって否定的な意見もありました。
1階の玄関から真直ぐに進み、右に折れた廊下はどのようなはたらきがあるのでしょうか。
廊下が「コ」の字の面白い形になるので想像を誘います。2階への階段を上りきった突き当りの4畳の廊下は何でしょう、また想像を誘います。屋上はジャグジーバスなどがあり楽しそうです。さらに料理を作る流し台もありますが、なぜかパラソルがそこからずれています。
妙なところが目立つのは、おそらく多くの思いやアイディアが収斂しないままモゾモゾとうごめいているところから来るのでしょう。しかしそこがこの案の魅力にほかなりません。
器用にまとまった優等生的な案が良いとは限らないということですね。

学校賞
静岡県立科学技術高等学校

第7回「2015わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」入選作品と審査評の発表!

 皆さん、こんにちは。

第7回「2015わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」の入賞等作品と審査評をご紹介します。

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2015101701.jpg 技術・デザイン部門
特 選 安藤爽太(岐阜県立可児工業高等学校)       二つの顔を持つ家

 この作品は、岐阜市が推進している伝統的な街並みの景観に配慮しつつ、伝統的な町家の構造強度不足を木造のスケルトン・インフィルという手法で解決することを提案している。また、閉鎖的な空間となる庭を開放することで地域コミュニティーの活性化を図ろうとしている。加えて、天窓と吹き抜けによる空気の流れと光の取り込み、立地を生かした南向き屋根へのソーラーパネルの設置、車社会に対応して設けた一階部分の車庫と二階部分の大幅変更を伝統的な格子などで解決しようとする等、若者らしい挑戦が随所にみられる作品である。
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技術・デザイン部門
優秀賞 及川絵里沙(山梨県立甲府工業高等学校) SAFETEY CONFIRMATION

 他所で扇屋を営んできた老夫婦が、リフォームを機に小さな扇の店を設けた案である。この夫婦は「もっと年老いた時」のことを考えて、階段勾配を緩やかにし たり、便所を室内化し寝室の近くに配置したりする。ここまでなら目新しさはない。しかし制作者にとって一番の問題は、老夫婦と外の人々との交流であった。 老いた夫婦が無事生活していることを近所の人々が確認できるよう、また人々と交流できるようにと、店の前面に扇を陳列できる雪見格子風のショーウインドー に設けたのである。老夫婦の住まいにおいて、街並みに対しての扇の陳列という、ささやかであるが古風な美しさを設定したことが、私たちの心を動かした。

2015101703.jpg 技術・デザイン部門
優秀賞 望月穂野香(静岡県立科学技術高等学校)      本の虫の住処

 本がとても好きな夫婦が電子機器の発達の陰で急速に進む活字離れに非常な危機感を抱き町屋を古本図書館リフォームし、活字離れ本離れを食い止める拠点をつ くろうとする提案です。作者は,大人たちに昔読んだ本を再び手に取ることを願っている。そうすることで、本を読んでいた頃を思い出し当時の思いや感じたこ とを子供たち、孫たちに伝えてほしいと願い、いろいろ工夫している。これら作者の意図するものを、大変上手なイラスト・色使いで解りやすく説明しており、 特に和傘わ加工して使うアイディア、雨のカーテンの提案は面白く、図面を立体的に表現している点も解りやすく好感が持てた。
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技術・デザイン部門
優秀賞 宮川裕助(愛知県立佐織工業高等学校)  水端町屋~つながりのある家~

 一階前面の水辺をもつオープンスペースを開放し、そこで創出される人と人との出会いやコミュニケーションによりコミュニティ形成につなげようとする作品で ある。どちらかと言えば排他感や緊張感のある町屋建築の一階前面をあえてオープンにすることで、コミュニティ喪失という現代社会の大きな課題に取り組んで いる。
 町屋建築の生命線である風の通り道を、立体的に建物全体を通るものへと再生するとともに、雨水を資源として活用する提案を行うなど、環境問題への取り組みも評価できる。

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技術・デザイン部門
奨励賞 玉田朱乃(三重県立伊勢工業高等学校)        ギャラリー&ボックス

 この案の大変良い点は、わかりやすい文章の全体説明(図面は少々難解)と、色を極力押えた図面表現の素晴らしさです。ともすれば、目を引くための派手な色使いの作品が多い中、鉛筆の濃淡をうまく使ったスケッチは、妙に安心感を与えます。古民家 祖父母 旅の記録 思い出 世間話などの言葉はこれらの表現と相まって良い提案になっている。ボックスの3つの提案も具体的に想像でき良い。

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B アイディア・デザイン部門
優秀賞 エラ・クリスティーナ(沖縄県立浦添工業高等学校)  広く太陽に包まれた家

 広く太陽に包まれた家とても広々とした風通しのよい平面となっています。家族の中心に共有空間として中庭に面してダイニング・リビング・キッチンが配置さ れており、親世帯と子世帯をつないでいます。外観は平屋建ての寄棟屋根として高さが抑えられており、台風銀座ともいわれる沖縄で台風にも耐えやすい建物と なっています。表現方法としての内観透視図、外観透視図がとても分かりやすくなっています。リフォーム前の状況がわかる写真又は図面などがあるとリフォー ムの趣旨が伝わりやすいと思います。

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B アイディア・デザイン部門
優秀賞 久世あさみ(岐阜県立岐阜工業高等学校)  光の部屋

 光の部屋太陽の光の特性をうまく利用しながら、ステンドグラスやカーテン、照明器具などにより光の色、明るさなどをコントロールすることで、理想の自室へとリフォームしている作品である。
 デザインのモチーフとしてゴシック様式を採用しており、ゴシック様式の特徴についてもしっかりと調べているところにも好感が持てる。全体として、画面構成やスケッチがとても分かりやすく、着彩も上手に仕上げてある。

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B アイディア・デザイン部門
優秀賞 竹崎  迅(静岡県立科学技術高等学校)  New Terakoya

 全国的に増加を続ける空家は人口減少により発生した今日的課題ともいえる。空き家対策として、熟年あるいはシルバーパワーを発揮する場として寺子屋を発想 したことは興味深い。昔の遊び、健全な食生活、音楽、言語をかつて、第一線で活躍した人材から地域の中で学べる。次の時代を担う若者とシルバーパワーを自 然につなげることは地域コミュニティーの観点からも評価できる。この作品は全国的な課題ともいえる空き家対策に建築の立場から注目した点でも評価できる。

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B アイディア・デザイン部門
奨励賞 奥田瑠華(岐阜県立岐阜工業高等学校)  僕の小さな図書館

 部屋の中を森に見立て、切り株やキノコをモチーフにしたイスやランプ、枝をはりめぐらし、まるで実のように本をディスプレーするアイディアは楽しさいっぱいの空間です。奥田さんが読書好きで、本から豊な感性や知識を得ていることが伝わってくる作品です。部屋の中央にある大木の中には、円形ベンチがあり、天窓から光が差し込む、と説明がありましたが、あえて描かないことによって、「不思議の国のアリス」のウサギ穴のように、ストーリーの世界につながる穴のよ うにも見え、想像が広がりました。

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B アイディア・デザイン部門
奨励賞 仲西和樹(沖縄県立浦添工業高等学校)  緊急時にも耐えられる家

 緊急時の避難と言えば、一般的にはリックを背負い、暗い夜道を電灯片手に指定避難場所へと言う暗いイメージが多いが、この提案 は、「よく食べ よく眠り すぐ逃げましょう」「地下で遊べますっ」の言葉通り、自宅の地下に頑丈で遊べる広さの『緊急時避難スペース』を提案している。 避難スペースには内外5カ所の階段が計画され、住人が何処にいても何をしていてもすぐ避難できるような提案になっている。すぐ近くに避難できる安全な場所 があることは重要です。解決すべき事項は多々ありますが、『安全な避難とは?』を考える良い提案です。

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B アイディア・デザイン部門
奨励賞  西澤あすか(岐阜県立大垣桜高等学校)  Funny Bath

 普通のバスルームが、タッチパネルに入力したテーマに沿って、天井や壁、床、バスアクセサリーが変化するアイディア作品。バスルームが一気に3次元動画の世界となり、エンターテインメント空間に早変わり。汚れを落とす、疲れを取る、という入浴目的のほかに、わくわくドキドキしながら、まったりのんびりしな がらと、気分に合わせて自分の部屋以外にも自分仕様に変えられる楽しさが光ります。お風呂が嫌いな子供たちやシャワーだけで済ます人も多い今日、あったらいいな、と思う作品でした。

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B アイディア・デザイン部門
奨励賞 早川穂香(岐阜県立岐阜城北高等学校)        利休と一服

 物置と化している一室を、大胆にも和室と庭が共存した部屋にリフォームしようという作品である。座敷(内)と庭(外)を大きな開口でつなげ、四季のうつろいを楽しむといった日本人の自然観や住生活観を室内だけで実現しようとするアイデアに惹かれた。
 壁に貼るシールで季節感などを得ようとするアイデアも、言わば現代的な室礼(しつらい)でありおもしろい。ただ、タイトルにある「利休」が提案空間にあまり感じられないのが残念だった。
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B アイディア・デザイン部門
奨励賞 渡邊結機(岐阜県立多治見工業高等学校) LOHASIS ROOM

 部屋の中を緑で満たそうとする着想は珍しいものではない。ところが、この案が意表を突くところは、コケやツタ類などの陰性の植物を前景化したことである。 燦々たる日光の下、ドライで健康的な緑の室内ではなく、ウエットで奇妙な植物空間に、20代後半の働く女性が癒しを求めて住んでいるという設定である。
 このような感性は少数派と思うが、水彩で丁寧に描かれたコケ(に似た繊維かもしれない?)のソファやベッドを見ていると、私たちもある種の共感を抱いてしまうのは不思議である。

学校賞
静岡県立科学技術高等学校

第7回「2015 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」入賞作品発表

第7回「2015 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト 」の作品審査が本学で行われ、岐阜をはじめ愛知、三重、静岡、遠くは山梨、沖縄から応募のあった135 作品の中から、以下のように入賞者と作品を決定いたしました。

※各作品は二つの部門で選定・評価しました。

A.技術・デザイン部門: 提題された住まいを対象にして、現実的な問題(例えば、環境とエネルギー・高齢者や障がい者への配慮・コミュニティの活性化など)への提案を評価。

B.アイディア・デザイン部門:若々しく楽しい発想や斬新な図面表現、身近な実践例などを評価。

審査の結果、今回のコンクールでは、アイディア・デザイン部門での特選は該当なく、優秀賞のみの結果となりました。両部門で奨励賞を6点追加選定しました。

多数のご応募、ありがとうございました。

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第7回 2015 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト
入賞者・入賞作品一覧

1. A 技術・デザイン部門

特選: 安藤 爽太(岐阜県立可児工業高等学校) 二つの顔を持つ家
優秀賞: 及川 絵里沙(山梨県立甲府工業高等学校) SAFETEY CONFIRMATION
望月 穂野香(静岡県立科学技術高等学校) 本の虫の住処
宮川 裕助(愛知県立佐織工業高等学校) 水端町屋~つながりのある家~
奨励賞: 玉田 朱乃(三重県立伊勢工業高等学校) ギャラリー&ボックス

2. B アイディア・デザイン部門

特選; 該当なし
優秀賞: エラ・クリスティーナ(沖縄県立浦添工業高等学校) 広く太陽に包まれた家
久世 あさみ(岐阜県立岐阜工業高等学校) 光の部屋
竹崎  迅(静岡県立科学技術高等学校) New Terakoya
奨励賞: 奥田 瑠華(岐阜県立岐阜工業高等学校) 僕の小さな図書館
仲西 和樹(沖縄県立浦添工業高等学校) 緊急時にも耐えられる家
西澤 あすか(岐阜県立大垣桜高等学校) Funny Bath
早川 穂香(岐阜県立岐阜城北高等学校) 利休と一服
渡邊 結機(岐阜県立多治見工業高等学校) LOHASIS ROOM

3. 学校賞

      静岡県立科学技術高等学校

入賞者の授賞式は、10月17日(土),14:00より、本学で行います。入賞者の皆さんには、ご連絡させていただきます。

各入賞作品および作品評などは、11月はじめにHPにて掲載します。また、2016年2月岐阜柳ヶ瀬「てつめいギャラリー」にて展示予定です。
入賞者の皆さん、おめでとうございます。

第7回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト

 「第7回2015わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」を開催します。
 昨年度に引き続き、技術・デザイン部門とアイデア・デザイン部門にわけて、作品募集を行います。今年度の技術・デザイン部門は、提題された住まいへの提案となります。アイデア・デザイン部門は、楽しい発想や斬新な図面表現を評価しますので、建築・デザイン科以外の皆さんも、どんどん応募してくださいね!
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<第7回 2015わたしの住まいリフォーム・デザイン案 コンテスト > 募集要項
住まいを対象に、リフォームの提案を募集します。

1 応募期間 平成27年8月24日(月)~9月20日(日)(当日消印有効)
2 募集内容
住まい全体、あるいは住まいの一部を対象として選び、現況の様子あるいはリフォーム前の写真や図と、あなたの考えるリフォーム後の構想を平面図・立面図・透視図などに描いて送ってください。(文系の方もどしどしご応募ください。)

3 応募資格 高校生・短期大学生(専門・専攻は問いません)
4 作品応募規定
次の二つの部門があります。いずれかを選んで応募してください。
A:技術・デザイン部門
提題された住まい(本学HP掲載)を対象にして、現実的な問題(例えば、環境とエネルギー・高齢者や障がい者への配慮・コミュニティの活性化など)への提案を評価します。
B:アイデア・デザイン部門
若々しく楽しい発想や斬新な図面表現、身近な実践例などを評価します。
A・B部門共通事項
(1)用紙:A4以上A2サイズまで1枚、紙質自由(ケント紙が望ましい。)
(2)氏名・学校名・学年などを「出品票」(本学HP掲載)に記入し、提出作品の裏面右下に糊付けして、下記郵送先まで送付してください。 
※一校で作品が複数ある場合は、「出品者一覧票」(本学HP掲載)をお付けください。
5 郵送先 〒501-2592 岐阜市太郎丸80番地 
       岐阜女子大学生活科学科住居学専攻
「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」係
TEL:058-229-2211(代)
6 審査員  岐阜県内建築系教員・岐阜県建築士会会員・本学教員プロジェクトチーム
7 表彰及び賞 2015 年10月に表彰式をおこないます。
特選 1点 賞状、副賞(図書券5万円)
優秀賞 3点 賞状、副賞(図書券1万円) 
奨励賞 若干 賞状、副賞(図書券3千円) 
学校賞(優秀作品を多数寄せて下さった高校) 賞状、副賞(図書券2万円)
入賞作品は岐阜女子大学住居HP掲載、2016年2月岐阜柳ヶ瀬「てつめいギャラリー」にて展示
8 その他
※作品の使用権は主催者に帰属し、応募作品は返却いたしません。
※内容に対する質疑応答はいたしません。
※規定以外の事項に関しては応募者の自由裁量とします。 
◆技術・デザイン部門の提題

付図のような間口3間の町家を対象にして、リフォームを考えてください。

1 設計条件
(1)第一種住居地域、建ぺい率60%、容積率200%とする。
(2)建物の出入り口は北西に面しており、前面の道路は幅員6.5mで北東から南西に通り抜けている。両側および道路をはさんで北西側も類似の住宅がつらなっている。
(3)住まい手は、子どもが自立した夫婦(男60歳、女55歳)とする。
(4)職業は応募者が自由に設定してよい。

2 その他
(1)全体でなくても、一部(たとえば、ミセ部分とか、水まわり部分)のリフォームでもよい。
(2)壁量計算で確認する必要はない。
(3)構造部材(梁、柱など)を露出する場合の部材の姿は、応募者に任せられる。
(4)現状の屋根は4.5寸勾配、瓦葺き。
(5)その他、図に規定されている以外の内容については、応募者の自由裁量とする。
(6)岐阜市では、「岐阜市景観基本計画(平成19年8月22日付け 第23回岐阜市都市景観審議会了承)」を策定し、新しい未来に向けて、視覚的な美しさとともに、地域固有の自然・歴史、人々が共有する価値観や文化がまちの表情としてあらわれ、安らぎや潤い、愛着や人々の温もりにより精神的な満足感や快適性が得られるものを真の美しさとしてとらえた美しい都市づくりに向けて、景観の形成に取り組んでいます。
※ なお、この提題の町家は、岐阜市教育委員会が昭和56年2月に発行した「旧中川原街並調査報告」に掲載されているものを再構成したものです。

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