健康栄養学科

医療・福祉

管理栄養士へのステップ ~卒業研究 伊藤研究室~

 伊藤研究室では嚥下機能が低下した高齢者の方に安全に楽しくおいしい食事を作りたいと考えています。

 そこで、岐阜県は喫茶店文化が盛んであることから、嚥下機能が低下した高齢者の方でも食べることができる喫茶店風メニューをテーマとして研究しています。

 今回、嚥下しやすい食品である食パンをメニューに取り入れ、水分が少なくパサパサしている食パンを味・見た目そのままで食べられるようゲル化剤を用い、工夫しました。

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 今後は硬さを嚥下レベルに合ったものに調整し、見た目もより近いものに出来るよう研究を続けていきたいと考えています。(伊藤研究室)

 

高齢者もおいしく食べられる工夫 ~卒業研究~

 高齢になると飲み込む力が弱くなります。そのため、管理栄養士は、高齢の方でも飲み込みやすく、栄養も取れ、おいしい食事を考えています。

 伊藤研究室では、口腔機能が低下した高齢者が安全で美味しい食事を食べられる工夫について研究しています。

 今回はホウレン草について研究したことを紹介します。

 ホウレン草は繊維が多く、通常の状態では口の中に残り、葉の薄さが噛みきれない原因になります。そこで、今回はホウレン草をゲル化剤で固めることにしました。

 調理の工夫としてホウレン草を茹でる時にゲル化剤を使用します。今回使用したゲル化剤には酵素の力で繊維を軟化する働きがあります。ゲル化剤を加えたもの(①)と加えなかったもの(②)を比較すると完成したゲルの繊維の残り方や断面の滑らかさが明らかに異なりました。

 

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 今後は、このゲル化したホウレン草を使用して、キッシュの具材として活用していく為の研究に取り組んでいきます。(伊藤研究室)

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飲み込みがうまくできない人が安全においしく食べるためのお手伝い

 伊藤研究室では、嚥下困難者に対する餅菓子の提案を行いました。高齢になると嚥下機能が低下し、健常者と同じ食事を楽しく食べることは難しくなります。その中でもお餅は、高齢者が好む食品ですが、粘着性と弾力性があるため口の中に貼りつきやすく飲み込みにくいため事故が多発しています。そこで、高齢者が安全においしく食べることができるお餅を作りたいと考えました。まず始めに私たちが普段食べている硬さのもち菓子を作り、そこから試作を重ねていきました。試作では、ゲル化剤やとろみ調整食品を使い粉の分量や水の量、加熱時間を調節し理想とする硬さになるように改良していきました。完成したものを実際に嚥下機能が低下した方に試食していただきました。その結果、飲み込みやすさ、見た目、味ともに良い評価をいただくことができました。

 今後の課題として、今回は4人分など少人数で試作を行いましたが、施設などでも使えるように大量調理への展開を考えていきたいと思います。(伊藤研究室)

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第二回やまがた健康・介護フェスタに参加しました

 「第二回やまがた健康・介護フェスタ」に出展し、食事チェックと食事相談をさせていただきました。

 来場された方々は、普段目にしないフードモデルに「こんなものがあるんだね、すごいね」と興味津々で、幅広い年代の方に体験していただくことができました。

 食事チェックの結果表を見て、「野菜が足りていないな」とか、「乳製品はそういえばあまり摂らないな」など、食事を見つめ直してもらえる機会になったようです。

 私たち学生にとっても、市民の方々に食事に関してお話をするという貴重な経験をさせていただき、普段学んでいることと結び付けて「どう話したら伝わるか」、「どんなことに困っておられるのか」などとても勉強になりました。

 このような地域が行っている健康増進に向けたイベントに楽しく参加し、市の管理栄養士の先生方の取り組みを感じることができました。(藤田研究室 M.A)

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