生活科学研究科

研究科の沿革

平成16 年1月 大学院生活科学研究科修士課程(生活科学専攻)設置
平成16 年3月 大学院生活科学研究科(生活科学専攻)に教員専修免許状(家庭)認定
平成16 年4月 大学院生活科学研究科(生活科学専攻)開講
平成27年2月 大学院生活科学研究科生活科学専攻に栄養教諭専修免許状認定

研究活動

生活科学分野では、高度な専門知識・教材開発能力を有する大学教員や家庭科教員の養成を目指した研究が行われています。家庭科教材の開発研究では身近な廃棄物を利用した研究や生活環境の教育教材としてエシカルな染色を進めています。応用栄養学分野では、高度な専門知識を持ち、チーム医療に貢献できる病院管理栄養士、栄養教諭(専修免許状の取得)の養成を目指し、細胞や実験動物を利用した研究から、人間や社会を対象とした実践研究まで、幅広い分野から研究テーマを選び、研究に取り組みます。走査電子顕微鏡、アミノ酸分析装置、原子吸光度計、ガスクロマトグラフィー装置、高速液体クロマトグフィー装置、硬さや弾力の測定のための物性測定器、凍結乾燥装置などの機器を活用した研究活動や、動物飼育施設もありますので、主にラットやマウスを用いた動物実験を利用した研究活動を行っています。
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        原子吸光度計              物性測定器

最近の顕著な研究成果について下記に紹介します。

・日本衣服学会第69回年次大会(平成29年10月28日)において、優秀発表賞を受賞された大学院生活科学研究科の長浜小春さんは沖縄出身で、4年次の卒業研究において、地元の産業組合の協力を得て、かりゆしウエアの商品開発に取り組んでこられました。この結果、商品の色彩特徴や形態特徴を比較するとき、客観的方法があると大変便利である ことを産業組合に提案されました。大学院での研究活動では色柄の不均一な色彩面から受ける視覚的な印象を、測色平均の単一色で近似的に代表できると考え、色彩画像解析により色柄模様の形態情報量、明度、彩度および色相の各分布に基づく平均的な色彩情報量を算出し、これらの情報量から色彩テクスチャの視覚的特徴量を明確にできるかどうかについて研究されました。夏祭りや花火大会などにおいて女性が多く着用する日本の浴衣と,アロハシャツ(ハワイの男性の正装)やハワイのアロハシャツをモチーフとしたかりゆしウェア(沖縄クールビズ)について、これらの間に色彩的および形態的にどのような類似や相違がみられるかについて、判別分析などの客観的手段を基にかりゆしウエアの特徴を明確にされました。この研究について、日本衣服学会で発表した結果、多数の発表のなかから優秀発表賞に選ばれました。

・第16回家政学関連院生・学生研究発表会(平成28年2月20日)において、研究発表を行い、最優秀発表者に選ばれた豊川凛さんの研究活動について紹介します。一般に合成繊維の染色は困難であるが、衣服素材として合成繊維比率が50%を超える現在、合成繊維の新しい染色方法を確立することは大変意義がある。特に家庭用品として需要の高いポリプロピレン(PP)繊維は極めて軽量で保温性や乾燥性に優れていることから、もし染色が可能になればファッション性衣服への用途も拡大することが期待されます。研究では、天然色素でポリプロピレン(PP)繊維がエコカラー染色できようにするために、PPのクレーズ内に、アルコール中で天然染料を使用して、エネルギーを使わずにエコ的に色彩鮮やかに染色できる事を明らかにしました。鮮やかで抗酸化力が大きく紫外線吸収性の顕著なインナー、Tシャツ、ブランケット等の製品化を目指すことができました。
この研究成果は、平成28年10月29日に開催された日本家政学会第61回大会の総会において日本家政学会奨励賞が授与され表彰されました。

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