健康栄養学科

生理機能

管理栄養士へのステップ ~卒業研究 野村研究室~

 野村研究室では、食品の栄養成分の分析を行い、食品の新しい性質や働きを見出すことを目的として、卒業研究を行っています。

 今年度は、野菜のつるむらさきを取り上げました。

 つるむらさきは、ビタミンCやカルシウムが豊富に含まれている野菜で、葉の形や味がほうれん草とよく似ています。また、特徴的な食物繊維を多く含むため、茹でるとねばねばした食感がでます。

 卒業研究では、つるむらさきの栄養成分には他にどのような特徴があるのかというのをテーマに取り上げて、研究を進めています。

 

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 大学の授業では、食品の栄養成分を分析する実験授業もあります。食品に含まれる各種成分の特徴や栄養特性について、実験を通じて深く理解していきます。最近は、大学で学んだ知識や経験を活かして食品会社や分析会社で活躍する管理栄養士さんが増えています。栄養学を学んだ管理栄養士さんが分析を行うことで、新しい視点が生み出されています。(野村研究室)

 

管理栄養士へのステップ ~卒業研究 臼井研究室~

 今年の臼井研究室は、4つのグループに分かれて卒業研究に取り組んでいます。2つのグループは、マスクの研究を行っています。新型コロナウイルス感染症の流行で人前ではマスクをするのが常識となっています。マスクの材質には、不織布やウレタンなどがあります。ウレタンマスクは、不織布マスクに比べウイルスの遮断性がおちるのではないかといわれています。そこで、細菌(ウイルスより扱いやすい)を使って、不織布マスクとウレタンマスクの細菌の通過試験を行っています。実験の条件を設定するのが難しく、現在、試行錯誤中です。人の頭部を模した発泡スチロール製の人形(呼吸のマネができるようにしてある)が大活躍です。

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 もう一つのグループは、食品中の嫌気性菌(クロストリジウム属菌)の耐熱性を調べています。クロストリジウム属菌は芽胞を形成し、芽胞状態となると100℃の温度にも耐えると言われています。どのくらいの温度にどの程度の時間耐えることができるのか実験中です。カレーライスなどの食中毒の原因にもなると言われているので、カレーライスを作って実験も行っています。

 最後のグループは、油の酸化とカルボニル価の関係を調べています。植物油(不飽和脂肪酸をもつ)は、紫外線などがあたると酸化が起こります。酸化によって「過酸化物」が生成し、さらにその「過酸化物」が分解し「カルボニル化合物」という物質が生成されます。紫外線照射下で「過酸化物」を生成させ、その分解物である「カルボニル化合物」がどのぐらいのスピードで生成してくるのかを調べています。

 夏休み返上で、実験と国家試験の勉強に取り組む予定です。頑張れ! (臼井研究室)

 

管理栄養士へのステップ ~卒業研究の取り組み~

 先生方は、栄養に関するテーマについてそれぞれ研究をされています。4年生になると研究室に配属され、4年生はその先生方の"研究室"で、実験や調査などの卒業研究を行ったり、さらには国家試験の勉強を行ったりしていきます。今回は、4年生の卒業研究の取り組みを紹介します。

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 髙田研究室では味覚に関連する研究と生理学に関する研究を主体に実施しています。

 先ず、岐阜県といえば「飛騨牛」です。私たちの研究室では、岐阜県畜産研究所との官学連携で、牛肉の官能評価を実施しています。今年はロースばかりでなく、モモ肉の美味しさも研究しました。

 また、昨年度からは地域の6次産業化に関係した、つるむらさきの飲料化に向けた研究もしています。

 基礎的研究も実施しています。今年は、飲料の色と味の関係、5味試験の結果と試験環境の色の関連などを調べる研究を実施しました。

 さらに、牛や馬の赤血球が、時間や温度によりどのような変化をするかといった生理学の基本中の基本となる研究も行いました。

 今後も、味覚を主体に、地域の畜産や6次産業と結びついた研究を行っていきます。(髙田研究室)

 

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ハンバーグをおいしく保つには? ~卒業研究の取り組み~

 清水研究室では、ハンバーグをおいしく保つ方法を研究しています。ハンバーグを加熱や保存すると、ハンバーグに含まれる脂質(脂)が、においや味に悪い影響を与えることがあります。

 今年度は、実験を通じて、調味料の効果により保存可能かどうか検討しています。実験が予想通りに進まないこともありますが、おいしくハンバーグを保つために様々な改善を目指していきます。(清水研究室)

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 卒業研究の活動の取り組みは岐阜女子大学健康栄養学科のInstagram(@gwu_kenkoeiyo)にもアップしています。ぜひInstagramもご覧ください。

 

マスクの微生物汚染の研究に取り組む ~卒業研究~

 皆さんは、新型コロナウイルス対策としてマスクをしていると思います。マスクはどのようにするのが正しいのでしょうか。また、マスクはどの程度微生物に汚染されるのでしょうか。今年の卒業研究のテーマのひとつ「マスクの微生物汚染に関する研究」を紹介します。

 この研究は、マスクに付着している細菌の検査を実施し、新型コロナウイルスによる汚染の可能性を推察することを目的としています。

 新品のマスクをつけ数時間普通に生活します。その上で、マスクがどの程度細菌によって汚染されるかを検査します。もちろん、新品のマスクに細菌はいません。

 マスクの表(外気に接する方)と裏(皮膚に接する方)の汚染の違いを調べるために、少し息苦しいですが2枚を装着して別々に検査します。

 私たちの皮膚にはブドウ球菌が生息しています。従って、裏からは皮膚に生息する菌がたくさん検出されます。しかし、皮膚に接していない表からも裏の1/15ぐらいの菌が検出されてきます。マスクを手で触ることが原因だと考えられます。

 ところで、手はいろいろなところに触れます。触れたところに新型コロナウイルスがいれば手が汚染されます。その手でマスクを触るとマスクが新型コロナウイルスで汚染されることになります。

 正しくマスクを使用しないと、かえって危険なこともあることが予想されます。今、マスクの表と裏を毎日検査中です。 (臼井研究室(微生物学))

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(臼井研究室)