リフォーム・デザイン案コンテスト

第12回「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020」入選作品と審査評の発表

本学学生が新型コロナウイルスに感染したことが判明し、11月7日に予定しておりました第12回「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020」表彰式は中止となりました。

参加を予定いただいておりました皆様におかれましては、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。

後日、賞状と副賞は郵送させていただきます。

入賞者・入選作品と審査評をご紹介いたします。(各賞内順不同)

本学10号館展示室に展示予定です。

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A.技術・デザイン部門

建築士会賞 ぐるぐるー猫と空気が巡る家ー  

筒井 日菜(三重県立四日市工業高等学校) 

この作品の特徴は、人の動線とは別の猫の動線-立体的な循環動線-を挿入することにより、大切なペットである猫にも住まい全体を使ってもらおうというまさに猫目線の提案にあります。そのための装置としてのネコカベもネコノキも現実味があり、今はやりのDIYリノベで作ってみたくなるものです。ネコノキを配置する空間は屋外空間である庭を取り込んだ半屋内空間となっており、猫のために危険が多い屋外を屋内に取り込んでいくという発想も興味深かった。手描きのパースも美しく、分かりやすいものとなっています。

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優秀賞小さな幸せ、大きな支えに

岩田 夏帆(岐阜県立岐阜工業高等学校)

この作品の特徴は、現在のコロナ渦における店舗併用住宅の在り方と大型犬の特性を分析し、反映させた住宅の提案となっています。コロナ渦において飲食店が大打撃を負い、テイクアウトのニーズが高まったことを踏まえ、ドライブスルーを取り入れたり、テラス席を設けたりとまさしくwithコロナ時代に適応する様式が考えられています。また、店舗併用住宅としてのゾーニングが明確で、それぞれの使いやすさ、快適さも見てとれます。さらに、一緒に暮らす看板犬である大型犬の特性を分析し、その特性に応じた工夫などが住宅の随所にみられ、一定の現実味を持ったリフォーム案となっています。

岩田夏帆様_CMYK-2.jpg

優秀賞犬が自由に暮らす家 人が自由に暮らす家

前田 明日香(国立徳山工業高等専門学校)

この作品は、屋内飼育が主流となった現在、飼い主と犬との距離や関係性が近くなった分、飼い主との関係性にストレスや不安を生じ、精神疾患を抱える犬も増えているという現状を踏まえ、飼い主と犬とが心身ともに良い影響、関係性をつくるためのリフォーム提案です。庭に面した南側全面に土間という半室外空間を設け、家の約半分の空間を飼い主と犬との共用空間にした思い切りの良さと、土間の上部を吹き抜けとしたことで、互いの気配を感じながら適度な距離感を保つことができる空間となりました。人と犬、それぞれが自由に暮らす家ではあるが、しっかりと犬への愛情が感じられる提案となっています。

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優秀賞Connection~つながり~

宮地 柚菜(岐阜県立可児工業高等学校)

この作品の特徴は、課題解決のため、家族がより楽しい毎日を送るために、家の中心に吹き抜けのある『サンクンガーデン』を新しく設けたことです。このアイディアは素晴らしいものです。まずこの空間を使って2階には、親子の繋がりを深めるための内窓があり、お互いの気配を感じあうことが出来ます。この吹き抜け空間は親子の近すぎない、丁度良い距離を保つのに役立ちます。更には吹き抜け空間と繋がったLDKも大きく新しくワンルームとして計画されました。対面式のキッチンは、子どもの成長を温かく見守る『家族の目』を感じることができ、建築としても、明るく・温かい良い作品になっています。

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奨励賞Relax

篭橋 友貴(岐阜県立可児工業高等学校)

この作品は、犬が家族の一員であることを象徴するような作品になっています。人だけでなく、犬の動線や犬にも配慮した仕上げ材も考えられており、人と同レベルで快適に過ごすための工夫が随所に見られます。ただ単にペットとしての犬ではなく、家族としての犬の存在の大きさがこの作品からは感じ取れます。人目線で建てられる住宅も、家族の一員であるペットの目線に立って計画していくと、人もペットも暮らしが豊かになりそうですね。また、建物そのものだけでなく、庭などの外構計画もしっかり考えられているところも評価しました。

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奨励賞一体化~ともに~共に過ごしやすい空間を~

佐藤 祐月(岐阜県立可児工業高等学校)

木質系ラーメン構造を採用することで、開放的な大きな空間を作り出し、あちこちのスペースで猫との触れ合いを楽しもうとする提案です。既存の区切られたL・DKを一室にしてリビングを吹き抜けにしています。この吹き抜けには梁を残し、壁に設けたキャットウォークと一体化させ、猫のための空間をつくっています。2階にある夫婦寝室・子供部屋からもこの吹き抜け空間を眺めることができ、猫の動きを見ながら楽しむことができます。新しく設けた階段下部に『猫のためのスペース』を設けるなど細かい配慮もなされ、猫を身近に感じながら『共に過ごす』と言うコンセプトが実現できそうな、良い作品です。

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奨励賞私と犬のSOCIAL DISTANCE-思いやりの距離-

万谷 真理奈・村上 日向子(国立徳山工業高等専門学校)

この作品は、人とペットとしての犬との関係の在り方について、愛するがあまり人と同じように扱い、生活する現在に一石を投じる提案となっています。住まいの空間を、人間スペース、犬スペースと両者のふれあいスペースという3つの空間に分け、それをフロアレベルで明確化するという大変分かりやすく、説得力のある内容となっています。人間と犬の望ましい距離感について、住まいの空間を通じて新たな考えを提示する大変好感が持てる作品です。 万谷真理奈_村上日向子様_CMYK-2.jpg

B.アイディア・デザイン部門

優秀賞Natural Room

加藤 初音(岐阜県立多治見工業高等学校)

この作品は、室内で過ごすことが多い猫が、のんびり自然の中で暮らしている気持ちになるようにと、飼い主の部屋を「Natural Room」にリフォームする提案です。自然の中をイメージする装置として天窓を設置したり、樹木型のキャットタワーでは、幹にはキノコ型のらせん階段や枝から猫じゃらしにもなるつた状の植物を垂らすなど、高い所や動くものに興味を示す猫の特性が考えられています。同時に猫だけではなく、この部屋で一緒に過ごす飼い主も、猫がくつろぎ、遊ぶ姿に癒され、のんびり、まったり過ごす様子が想像できます。手描きの優しいタッチからも、猫への愛情が感じられる作品です。

加藤初音様_CMYK-2.jpg

優秀賞外のような空間

佐藤 優多(静岡県立浜松工業高等学校)

この作品は、住まいの中に機能をユニット化した小屋を新設することで、残りの空間を縁側のような中間領域とし、犬がそこを走り回れるようにしようと考えたものです。住まいの中で犬と暮らす人が格段に増えた現代の、新たな住まいの在り方かもしれません。住まいの機能をユニット化した小屋は、どこまで部屋としての機能を最小限化できるか、立体的利用ができるかということを考えて提案されており、とても興味深い作品です。

佐藤優多様_CMYK-2.jpg

優秀賞ニャンコと豆の木

中谷 一憲(徳島県立徳島科学技術高等学校)

説明文も大変解りやすく、読みやすい文章で大変好感の持てる提案です。プレゼンテーションとしてはスッキリとして、秀逸でした。2匹の猫がいつも屋外を眺めている姿から何かを感じ、猫たちと共に楽しく暮らせる部屋を提案しています。床に組み込まれた金魚が泳ぐ水槽で本能を刺激し、壁・天井へと考えを展開しています。ジャックと豆の木に発想を得たキャットタワーは如何にも楽しそうですし、豆の木の背景の青い空のイメージも新鮮です。これらの空間構成は動き回る猫を、楽しげに目で追う住人の姿も容易に想像できる、素晴らしい作品になっています。 中谷一憲様 _CMYK-2.jpg

優秀賞犬とくらす

和田 彩絵(第一学院高等学校)

この作品は、実際にある住宅を人と犬が心地の良い暮らしができるようにリフォームすることを想定した、具体的な改善案が取り入れられた作品になっています。改善点を明確にし、その問題を解決するためのリフォーム案は現実味を帯びており、人や犬への細やかな配慮も見られます。特に2階に生活の中心であるLDKを配置したことにより、広々とした空間が生まれ、1階にはしっかり個室が確保できています。また、プレゼンシートの彩り方にも目が惹かれました。素材感のあるフェルトを用いながらカラフルで温かく、楽し気な印象を一目見ただけで感じました。図面も見やすく、このような魅せ方に好感が持てました。

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奨励賞きのこルーム

大山 乃愛(岐阜県立多治見工業高等学校)

この作品は、暮らしの中に「きのこ」をモチーフにした様々なエレメントがちりばめられた、わくわくするような楽しく、テーマパークのような空間になっています。きのことその胞子までもをイメージしているところがユニークな発想です。猫がきのこのキャットタワーや階段を走り回る姿が目に浮かびます。こんな部屋があったら、人も猫も楽しく暮らせそうですね。また、イラストに迫力があり目が惹かれました。線1本1本が綺麗で、着彩も丁寧です。手描きの良さが感じ取れる作品です。

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奨励賞犬が走り回り、犬も人も楽しめる家

高柳 晴(静岡県立浜松工業高等学校)

この作品は、室内に犬が入ることを想定していない住宅で、屋内飼育をするために考えられたリフォーム案です。住宅の1階部分をワンルーム空間とし、玄関から住宅を横断する床を土間にすることで、土間(+0)が犬の領域、+300以上が人の領域となり、床高さによって領域が分けられています。床高さの違いは、キッチンなど危険な場所に犬が入り込まない配慮でもあります。また+300の差が腰掛となり、犬を見守りながら人の領域への侵入を防ぐ役割ともなっています。床高さに着目して領域を分けた点を評価しました。

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奨励賞猫と生活

林 実珠(岐阜県立多治見工業高等学校)

この作品は、部屋の中全体が、猫の遊び場となるよう考えられた空間となっています。スキップフロアの部屋は、部屋自体がキャットタワーの一部になっており、キャットウォークへ導くために机や手すりの配置も考えられています。また、動くものが好きということで、水槽を壁に組み込んだり、狭い場所や高い所が好きな特性を理解し、壁トンネルや出窓、キャットウォークなどの装置は、猫を楽しませようという意気込みを感じました。また、キャットハウスやラグマットのデザインからも、飼い主が猫との生活を楽しんでいる様子がイメージできる作品となっています。

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学校賞:岐阜県立瑞浪高等学校

受賞された皆さん、おめでとうございます!

第12回 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020 ご応募ありがとうございました!

第12回 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020 に今年もご応募をいただき、ありがとうございました。

出展してくださった高校も全国にわたり、楽しく、ユニークな提案や、表現力の高い作品が揃いました。

厳正なる審査を行い、11月のさぎ草祭に合わせて本学にて入賞作品の表彰式を行う予定をしております。審査が終わりましたらご案内を致します。

多数のご応募、ありがとうございました!    

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第12回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020

 「第12回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020」を開催します。
 昨年度に引き続き、技術・デザイン部門とアイディア・デザイン部門にわけて、作品募集を行います。今年度は「ペットと暮らす」住まいを対象に、リフォームの提案を募集します。(ペットは、犬または猫を対象)

技術・デザイン部門では、提題された住まいを対象にして、ペットにも住み手にも暮らしやすい「ペットと暮らす」ためのリフォーム提案を募集。ペットと共生できる住まいであるかを評価して審査します。

アイディア・デザイン部門では、「ペットと暮らす」ための楽しい発想や斬新な図面表現、身近な実践例などを評価しますので、建築・デザイン科以外の皆さんも、どんどん応募してくださいね!

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「第12回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2020」募集要項

「ペットと暮らす」住まいを対象に、リフォームの提案を募集します。
(ペットは、犬または猫を対象)

1 応募期間 2020年8月24日(月)~9月20日(日)(当日消印有効)

2 募集内容 住まい全体、あるいは住まいの一部を対象として選び、現況の様子あるいはリフォーム前(写真あるいは図)と、あなたの考えるリフォーム後の構想図(平面図<寸法記入不要>・立面図・透視図など)を描いて送ってください。
文系の方もどしどし応募ください。

3 応募資格 高校生・短期大学生(専門・専攻は問いません。)

4 作品応募規定
 次の二つの部門があります。いずれかを選んで応募してください。
A:技術・デザイン部門
提題された住まい(本学HP掲載)を対象にして、ペットにも住み手にも暮らしやすい「ペットと暮らす」ためのリフォーム提案を募集。ペットと共生できる住まいであるかを評価して審査します。
B:アイディア・デザイン部門
「ペットと暮らす」ための楽しい発想や斬新な図面表現、身近な実践例などを評価します。
(リフォーム前の状態を図面や写真等で表現してください。)
A・B部門共通事項
(1)用紙:A3以上A2サイズまで1枚、紙質自由(ケント紙が望ましい。)
(2)氏名・学校名・学年などを「出品票」(本学HPに掲載)に記入し、提出作品の裏面右下に糊付けして、下記郵送先まで送付してください。
※ 作品が1点の場合でも、「出品者一覧票」(本学HPに掲載)をお付けください。

5 郵送先 〒501-2592 岐阜市太郎丸80番地 
岐阜女子大学家政学部生活科学科住居学専攻
「わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト」係
TEL:058-229-2211(代) 

6 審査員 岐阜県内建築系教員・岐阜県建築士会会員・本学教員プロジェクトチーム

7 表彰及び賞 2020年11月以降に表彰式をおこないます。
特 選 1点 賞状、副賞(図書券5万円)
優秀賞 3点 賞状、副賞(図書券1万円)
奨励賞 若干 賞状、副賞(図書券3千円)
学校賞(優秀作品を多数寄せて下さった高校)、副賞(図書券2万円)
入賞作品は岐阜女子大学家政学部生活科学科住居学専攻HPに掲載し、2021年2月末まで大学内にて展示予定

8 その他
※ 作品の使用権は主催者に帰属し、応募作品は返却いたしません。
※ 内容に対する質疑応答はいたしません。
※ 規定以外の事項に関しては応募者の自由裁量とします。

◆技術・デザイン部門の提題
付図のような昭和50年代に建てられた木造2階建住宅(在来軸組工法)を対象にして、リフォームを考えてください。
1 設計条件
(1)第一種住居地域、建ぺい率60%、容積率200%とする。
(2)敷地は角地であり、全面道路の幅員は6m、東側道路の幅員は4mである。周辺敷地も類似の住宅地である。
(3)外構計画は自由とする。
(4)住まい手は、30代の夫婦と子ども(女6歳)とする。職業は自由とする。
2 その他
(1)壁量は壁量計算で確認する必要はない。通柱、筋違が入っている壁は、変更不可。
(2)構造部材(梁、柱など)を露出する場合の部材の姿は、応募者に任せられる。
(3)現状の屋根は4寸5分勾配、瓦葺き。
(4)その他、図に規定されている以外の内容については、応募者の自由裁量とする。
※ なお、この提題の住宅は、岐阜県内の空き家住宅として登録されているものを再構成したものです。

第11回の入賞作品はこちら

第12回わたしの住まいポスター.pdf

第12回_募集要項_リフォーム・デザイン案コンテスト2020 .pdf

出品票・出品者一覧票.docx

技術・デザイン部門の課題

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卒業研究発表会及び展示会を行いました

2月13日に卒業研究発表会、22、23日に卒業研究展示会が行なわれました。

4年間の学びの集大成である卒業研究。今年度は、設計分野と家具制作分野の発表が行なわれました。テーマへの取り組み方やプレゼン表現など、特に3年生は来年度に向けて、大変参考になったようです。

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13日の発表会では、4年生は、何度もリハーサルを重ね、一人7分という短い時間の中で発表をしました。

在校生からは、率直な感想から、設計に関するさまざまな質問がなされました。

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22、23日の展示会は、じゅうろくてつめいギャラリーにて行なわれました。パネルだけでは表現できなかった説明も行ない、たくさんの方から貴重なご意見も伺うことができました。 第11回わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2019の入賞作品の前では、リフォームのアイディアに驚く声も聞かれました。高校生の皆さん、来年度も開催されますので、是非ご参加ください!

4年生のご家族や在校生ご父母の皆様を始め、多数の皆様方にご来場をいただきました。

お忙しい中、ご高覧いただき、誠にありがとうございました。

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<卒業研究展示会とリフォーム・デザイン案コンテスト2019入賞作品展示のご案内>

皆さん、こんにちは。

今年度も2月22日(土) 23日(日)

に、じゅうろくてつめいギャラリーにて、卒業研究展示会を行ないます。

あわせて、第11回 わたしの住まいリフォーム・デザイン案コンテスト2019 の入賞作品の展示、ならびに1~3年生の授業課題作品の展示も行ないます。

住居学専攻での学びを知る良い機会となっておりますので、高校生の皆さんも、是非遊びにいらしてくださいね!!

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