教員情報
学部・学科 | 文化創造学部 文化創造学科(Faculty of Cultural Development) |
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職種 | 教授 |
氏名(カナ) | ナカネ カイドウ(ヤスジ) |
氏名(漢字) | 中根 海童(安治) |
研究分野(field of study)
書道・書写研究
研究テーマ(Research theme)
古典研究・創作(主に少字数作品)研究・書写指導研究
研究実績一覧(Research Publications)
論文・資料作品等(Papers Material works)
表題 | 単・ 共著 | 刊行 | 概要(共著者名) | 関連授業科目 |
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行・草書におけるデジタル教材の開発~蘭亭序・風信帖,書譜・真草千字文臨書のための教材開発~ | 共著 | 岐阜女子大学文化情報研究Vol.16-5,平成26年12月,p59-64 | 行・草書の古典の中から蘭亭序(神龍半印本)、風信帖(第一通)を取り上げ、紙教材・デジタル教材を併用できる方法を考、研究・開発を行った。行・草書の 臨書や作品制作は、流れるような気脈が感じられる書きぶりが必要とされる。文字の外形だけにとらわれず、運筆の方法などが学べるよう工夫した。(共著者:安藤秀川・森嶌隆鳳・岡島素峰・野村聡子) | 楷書法Ⅰ,行書法Ⅰ,隷書法Ⅰ Standarad Square Style Writing I, Semi-Cursive Style Writing I, Demotic Semi-Square Style Writing I |
仮名におけるデジタル教材の開発~蓬萊切臨書のための教材開発~ | 共著 | 岐阜女子大学文化情報研究Vol.16-4,平成26年12月,p69-74 | 仮名の古筆の中から蓬莱切を取り上げ、紙教材とデジタル教材の併用できる方法を研究・追求した。仮名の臨書は、実際に間近で指導者の模範揮毫を見ても、細 かいためわかりづらいと思われる。そのためデジタル教材で模範揮毫を多方向から見ることにより、さまざまな視点から、実際よりも大きく見ることが可能だと 考えた。(共著者:森嶌隆一・岡島正秀・安藤文夫・野村聡子) | 仮名書法Ⅰ Kana Writing I |
楷書におけるデジタル教材の開発~牛橛造像記,鄭羲下碑臨書のための教材開発~ | 共著 | 岐阜女子大学文化情報研究Vol.16-4,平成26年12月,p63-68 | 楷書の古典の中から牛橛造像記、鄭羲下碑の2つをとりあげ、紙教材とデジタル教材を併用できる方法を研究し、教材の開発を行った。筆法が特殊な2つの古典 をどのように書き分けられるか、デジタル教材を基に学べるよう、多方向撮影に取り組み、学習者それぞれの視点から学べる教材の開発を目的とした。(共著 者:岡島正秀・安藤文夫・森嶌隆一・中根安治・野村聡子) | 楷書法Ⅰ,行書法Ⅰ,隷書法Ⅰ Standarad Square Style Writing I, Semi-Cursive Style Writing I, Demotic Semi-Square Style Writing I |
書に関する新しい教材・表現の課題について~デジタルアーカイブ,タブレット端末を用いて~ | 共著 | 岐阜女子大学文化情報研究Vol.15-1,平成25年4月,p42-47 | (担当執筆部分:共同研究のため抽出困難)書の表現として新しい教材化が可能な教育環境が進み始め,書写・書道教育としての今後の課題である。そこで,今回,新しい書の表現方法として,紙と筆による書の形式を重視した方法と教材コンテンツとして構成する二つの方法について,その適否・問題点について検討を 行なった。これらの結果から,新しい書の教材としての表現の適否および書のデジタルアーカイブ化について,その方向性を考察した。 (共著者:野村聡子・森嶌隆鳳・加藤真由美・林知代) |
楷書法Ⅰ,行書法Ⅰ,隷書法Ⅰ Standarad Square Style Writing I, Semi-Cursive Style Writing I, Demotic Semi-Square Style Writing I |
電子教科書に対応した「中国書道史年表」の教材化 | 単著 | 岐阜女子大学文化情報研究 Vol.12-1,平成22年4月,p15-20 | 「時代」「人物名」「古典名」「図版」の羅列だけではなく、遺跡より出土した筆の推測される性能および書写面の有り様と用筆法<側筆・直筆>まで関連させ た「中国書道史年表」作成を試みる。そして「書体の変遷図」も加えて電子化し、図版の拡大機能を備えて、より視覚的な理解ができるように教材化を図る。 | |
「現代書の流れ」 ─日野原重明先生を囲む「安曇野夏の集い」にての講演録 |
単著 | 平成20年安曇野講義録,平成20年7月 | 「伝統書」といわれる漢詩作品・仮名作品等を、現代の一般大衆はほとんど解読できない。そうなると「何故現代の人が読めない字を書くのか」という問題が起きてくる。 そこで戦後、もっと現代の人が読める熟語、一文字、詩文等を書くべきではないかとの考えのもとに「現代書」が生まれた。そして造形芸術たらんとしての歩みが始まる。 また「現代書」と「伝統書」の決定的な違いは〝書の象徴性〟にある考える。 |
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弟子の眼から見た「戸田提山論」 ─理想を求めん そこには反骨心 | 単著 | 戸田提山顕彰事業報告書,平成17年2月 | 提山はその師・手島右卿と邂逅後、その提唱する現代書で「書を芸術たらん」とし、日々の生活に根差した「思想」を盛り込もうとした。その展覧会書道だけではない歩みを紹介し、「書」の理想を求めんとすれば、そこに自ずと生まれる「反骨心」に注目し、その「反骨心」がどこから生まれ、人生にどのように作用し たかに言及した。理想を求める方法としては体制内改革の道を辿るも、晩年は一人の書人としての世界に入り、反骨心を昇華させていったと分析する。 |
著書(Books)
表題 | 単・ 共著 | 刊行 | 概要(共著者名) | 関連授業科目 |
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基本五体字典(増補改訂版) | 共著 | 書道ジャーナル研究所,平成23年6月 | (担当執筆部分:隷書(人名用漢字と改訂常用漢字の追加分758字))常用漢字2136字と、十干十二支、高等学校の漢文教科書から選出した旧漢字38字の 2196字に、人名用漢字861字を加えた計3057字の毛筆文字による「五書体-篆・隷・楷・行・草-」の字典である。(共著者:宮坂直樹・計良裕佳・ 片岡重和・仲川恭司・神野雄二) | 楷書法Ⅰ,行書法Ⅰ,隷書法Ⅰ Standarad Square Style Writing I, Semi-Cursive Style Writing I, Demotic Semi-Square Style Writing I |
電子教科書に対応した「中国書道史年表」の教材化 | 単著 | 日本教育情報学会年会論文集26,平成22年8月,p374-377 | 「時代」「人物名」「古典名」「図版」の羅列だけではなく、遺跡より出土した筆の推測される性能および書写面の有り様と用筆法<側筆・直筆>まで関連させ た「中国書道史年表」作成を試みる。そして「書体の変遷図」も加えて電子化し、図版の拡大機能を備えて、より視覚的な理解ができるように教材化を図る。 | 中国書道史 Chinese calligraphy history |
戸田提山顕彰事業報告書 | 主幹 | 戸田提山顕彰事業 実行委員会,平成17年7月 |
実行委員長として、三回忌の戸田提山顕彰事業である次の四事業を計画遂行 *遺作展「人生山脈只茫々書人-戸田提山展」於・名古屋城天守閣(2007.2.17~3.18) *遺作集 『淡墨桜』を刊行 (2007.2.24) 1,500部 *「戸田提山をしのぶ会」於・ホテルナゴヤキャッスル(2007.2.24)全国より365名が参加 *講演会「武士道と書」於・ホテルナゴヤキャッスル(2007.2.24)講師:佐藤全弘先生 以上の四事業の経過報告を一冊にまとめて刊行。 100ページ(口絵24ページカラー) A4判 |
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戸田提山遺作集 『淡墨桜』 | 主幹 | 戸田提山顕彰事業実行委員会,平成17年2月 | 戸田提山顕彰事業実行委員長として、編集責任者となる。 師:戸田提山の三回忌にあたり、名古屋城天守閣において遺作展「人生山脈只茫々書人-戸田提山展」 を毎日新聞社と共に開催した。それに合わせて遺作集 『淡墨桜』を刊行。遺作60点を「和」・「気」・「妙」に作品テーマにより分類し、三部構成とする。また随筆27編を関連作品に配し、作品背景を理解して 多角的に鑑賞できるように工夫した。160ページ、カラー印刷、29.5×30×2.2㎝。 |
作品・創作(Work)
表題 | 単・ 共著 | 刊行 | 概要(共著者名) | 関連授業科目 |
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如泥人 | 平成25年 | 「泥」の草書体では、3本の斜線がほぼ平行に並ぶ。常識的には平行線は避けるが、線質を変えることにより効果的な表現になるよう敢えて取り組む。(寸法)175㎝×65㎝ | ||
寂 | 平成25年 | 「入寂」の「寂」として揮毫した。ある先輩への追悼の意を込める。草体で動きを大きく、中程の渇筆で波瀾万丈を表して、最終画は消え入るように静に引き抜く。中央にできる余白が奥行きを持った空間となるよう試みる。(寸法)140㎝×140㎝ | ||
至大至剛 | 平成24年 | 「至」が重なり、その変化と調和を楽しみ、「至剛」を連綿させて全体的に太い流れが表現できるよう試みた。(寸法)225㎝×53㎝ | ||
這 | 平成24年 | 「辶」最終画を右下がりにして坂道に見立て、「言」部がその上を這い上がるように進む強い意志を表現しようとした。点画構成が丁度その漢字の意味内容を象徴できる珍しい例である。(寸法)140㎝×140㎝ | ||
劇 | 平成23年 | 旁の「刂」を左に傾けて、しかも扁の最終画と交差させて全体を正三角形の構成とした。ほとばしる激情を表現しようと試みる。(寸法)140㎝×140㎝ | ||
以心伝心 | 平成23年 | 書の世界では横作品の場合普通右から左へ書くが、リズミカルな連続性を意図して左から右へ書くことを試みる。前字の最終画が丁度次字の第一画に連なることから可能となり、脈動感を表現しようとした。(寸法)65㎝×175㎝ | ||
(財)毎日書道会主催「毎日展」出品作品 | ||||
上無飛鳥 下無走獣 (草書体) |
第62回毎日展,平成22年 | 前回と同じ題材を草書体で表現した。淡墨の渇筆を多用して、〝ゴビ沙漠〟の生命を寄せ付けない茫々たる風景の表現をねらう。(寸法)120㎝×120㎝ | ||
上無飛鳥 下無走獣 (隷書体) |
第61回毎日展,平成21年 | 二度探訪したことのある中国〝ゴビ沙漠〟の生命を寄せ付けない茫々たる風景の表現をねらう。墨は濃墨を使用。(寸法)225㎝×53㎝ | ||
木火土金水 | 第60回毎日展,平成20年 | 宇宙の構成要素である「五大」で、紙面が一つの小宇宙になるよう試みる。(寸法)225㎝×53㎝ | ||
騰々任天真 | 第59回毎日展,平成19年 | 良寛をを象徴するこの語に、自由奔放さを表現しようとした。 (寸法)225㎝×53㎝ | ||
共命鳥 | 第58回毎日展,平成18年 | シルクロードの伝説に「〝善玉〟と〝悪玉〟の双頭の鳥─共命鳥─がいて、ある日〝悪玉〟を苦々しく思った〝善玉〟は〝悪玉〟に毒を飲ませたところ、双方 とも死んでしまった。」という話がある。濃墨で書体は篆書(金文)にして、清濁併せ呑む様を線質に託す。(寸法)175㎝×70㎝ | ||
江雲帯雨涼生竹 野水迎潮暗入籬 |
第57回毎日展,平成17年 | 多字数の場合濃墨を使用することが多いが、敢えて淡墨に挑戦し転折で止まらない滞りない運筆による爽快感をねらう。(寸法)225㎝×53㎝ | ||
(財)独立書人団主催「独立書展」出品作品 | ||||
沁 | 第58回独立書展,平成22年 | 「心」を草書で右上がりに直線的に配し、「サンズイ」と併せて正方形の紙面に〝V〟字形での構成を試みた。(寸法)140㎝×140㎝ | ||
器 | 第57回独立書展,平成21年 | 「生け贄の犬の四方に祝詞を入れる箱を置く」という字源をもつ〝器〟を篆書(金文)を用い、〝犬〟の部分に原初的な「畏れ」を表現しようとした。 (寸法)140㎝×140㎝ | ||
匿 | 第56回独立書展,平成20年 | 人間の〝陰〟と〝陽〟を表現しようとした。左側1/4を余白にして〝陽〟に、黒いマットと線の部分を〝陰〟に見立てた。(寸法)120㎝×120㎝ | ||
共命鳥 | 第55回独立書展,平成19年 | 前出の題材であるが、それになぞらえて自分で〝絵文字〟を造字して表現した。 (寸法)120㎝×120㎝ | ||
臨萊子侯刻石 | 第54回独立書展,平成18年 | 〝古隷〟に属する前漢時代の古典「萊子侯刻石」は、素朴でありながら現代的意匠も併せ持つ。臨書をするにあたり、その古色蒼然たる雰囲気を表現するために緑墨を用いる。(寸法)90㎝×120㎝ | ||
回生 | 第53回独立書展,平成17年 | 篆書(金文)では「回」が渦巻き状の形をとる。そのやはり渦巻き状となる余白が、生命の永遠性を感じさせる不可思議な空間となるよう試みる。また二字を結合させ、一字に見えるような造形的表現をねらう。 (寸法)75㎝×150㎝ |
教育業績(Educational achievements)
事項 | 年月日 | 概要 |
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教育上の能力に関する事項 | ||
教育方法の実践例 | 平成7年より | 豊田市・西尾市・西加茂郡三好町での小中学校書き初め審査に携わり、作品の見方・指導方法・書写技術について解説する。 |
作成した教科書、教材 | 「基本点画」実技解説ビデオ(30分、VHS) | |
教育上の能力に関する大学等の 評価 | ||
実務の経験を有する者についての特記事項 | 平成22年8月 | 愛知県碧南市教育研修会・碧海書道会共催「教育書道講習会」にて昨年に引き続き講師を務める。 【講義】 *続 小・中学校「書写」教科書のウソとホント *来年度施行の小・中学校「書写」新指導要領について 【実技】 *〝穂のS字形〟 *〝二色の淡墨図〟による基本点画 *小6書き初め「伝統文化」 *中3書き初め「学而時習之」 *臨書『蘭亭序』 |
平成21年7月 | 愛知県碧南市教育研修会・碧海書道会共催「教育書道講習会」にて講師を務める。 ・近年小中学校の「書写」の時間数が確保されてもその指導者が少なく、またその技量不足が指摘されている。そこで、経験不足の小中学校の先生方が基礎からの知識と技能を習得し、併せて書塾の指導者と交流する場を提供しようと企画された。 【講義】 *六書について *書体の変遷 *「筆」と「書」について *「右」と「左」の書き順について *小・中学校「書写」教科書のウソとホント 【実技】 *〝穂のS字形〟 *基本点画 *小4書き初め「信じる心」 *中1書き初め「夢を語る」 *臨書『蘭亭序』 |
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平成17年6月 | 佛教大学の教育実習生2名を受け入れる。 | |
業務上の実績に関する事項 | ||
実務の経験を有する者についての特記事項 | 平成21年8月 | (財)創玄書道会「木簡出土漢代烽燧探査隊」に参加 ・主に居延地方の「木簡」が出土した都尉府、候官、烽燧等の遺趾を探査した。 ・甘粛省博物館にて「木簡」を調査、鑑賞。 |
平成21年1月 | (財)独立書人団主催「第57回独立書展」において「第2部<会友・一般公募>作品解説会」を担当 ・創作の要諦<三何の追求> *何故書くか *何を書くか *如何に書くか ・審査員の経歴、年齢層により審査基準の〝書線〟のレベルが違ってしまう。本団の審査には、大作主義の影響が色濃く出ている。 ・各自〝真の書線〟を追求すべき。 |
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平成20年2月 | ロシア サンクトペテルブルク領事館主催「日本の春フェスティバル」の一環として、エルミタージュ美術館劇場にて「書のワークショップ」開催 ・日本の書の現状と現代書の誕生 ・漢字の成り立ちと筆順 ・書体の変遷と各書体の揮毫 ・日本より持参した筆ペンと色紙を参加者全員に配付し、世界で唯一弾力のある筆記具〝筆〟の感触を味わってもらう。 ・「少字数作品」7点(150×150㎝)をステージ上にミニ個展風に陳列し、鑑賞に供すると共に、希望者が「少字数作品」を実際に揮毫体験できる場を設定する。 |